
夏休みに限らずキャンプは楽しい。冬にカイロを懐に入れて震えながらのキャンプは格別だ。
僕が子供のころは、夏休みだからどこかに行くという「贅沢」なことは全くといって良いほどなかった。
自分の周りにいくらでも楽しいことが転がっていたので、どこかに行くということすら考えなかった。
自然の中での遊びが大半を占めていた。今でいうアウトドアの楽しみだ。
これに加えて僕たちは家の中で遊んだ。本を読むのも遊びのうちで、友達や貸本屋から借りた本を読みあさった。
模型をつくる、トランプをする・・遊びはいくらでもつくり出すことができた。
なかでも面白かったのがキャンプごっこだ。古いシーツをテントのようにつるして、その中で寝泊まりする。もちろんテントを張るのは家の中だ。廊下やちょっとした隅にテントを張る。その中に漫画やゲームを持ち込み、つきることなく遊んだのを記憶している。
キャンプというとどこかに行かなくては、と考えてしまう。そんな必要はない。ベランダでも、廊下の隅でもかまわない。そこにシーツなどでテントを張り子供に提供するのだ。子供にとって別世界ができあがる。
そこまでは大人が手伝ってもよいが、あとは子供たちの世界になる。
ベランダなら大人がついていれば卓上コンロで簡単な料理もできる。雨の心配もトイレの心配もない。夜は布団を持ち込んでその中で寝るのは最高に楽しい。
もっと雰囲気を楽しみたいなら安いテントを買ってきてもいい。閉鎖空間で自分たちの世界をつくることが楽しいのだ。
僕は山の中に住んでいるが、時々庭やデッキにテントを張って寝たくなることがある。周りからは変だといわれるが、別の世界がそこにはあって別の楽しみがあるのだ。
文・写真:ジャポニカ学習帳「世界特写シリーズ」取材班 山口 進
次回更新は、2010年9月30日頃の予定です。 |