もっと知ろう!ジャポニカ学習帳
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コラム
 

「想像力を育てる」

 子供はもちろんのこと、人間が成長する過程で、多様な可能性を広げる大きな力となるのが「想像力」だと、私は思っています。
 例えば、「想像力」とは一見関係のないようにみえる数学や物理の世界。その世界では「目的に到達する独自の新しい指針を決める」ために、豊かな「想像力」を必要とします。
 もっと身近なところでは、新しい製品を作る時に、まず想像力が不可欠なことは言うまでもありません。
「想像力」とは、広い視野、知識、柔軟な心と頭、絶え間ない努力などを総合した力です。それらは、まだ見ぬ世界へ人々を誘い、先の見えない何かを見通せるようにもするものです。
 
 では、「想像力」を目覚めさせ、培うためにはどうすればいいのでしょう。
 私自身、子供の頃は身体が弱く、その上に内気で、親から見ればどうしようもない子供のようでした。
 しかし、そんな私にも、一つの大きな楽しみがありました。それは本を読むことです。父は生物学者で、うちにはあふれるほどの本がありました。もちろん、まだ小さかった私に難しい漢字は読めず、写真や絵の図鑑を引きずり出しては眺めていました。
 そのうち、ダーウィンの「ビーグル号航海記」や、山川惣治の「少年ケニア」に出合い、胸をときめかしたものです。これらの博物記や探検物語に書かれたことは、何も知らない私には、全てが想像の世界でした。この時から、私が世界探検に胸をふくらませたのは、言うまでもないことです。自分の頭の中であれやこれやと想像し、推測し、探検をシミュレーションすることにより「想像力」が芽生え、それが「この弱い自分をなんとかして、自ら探検の世界へ飛び込んでみたい。」というやる気を起こさせてくれました。
 このように、私の場合は両親の生活態度や興味の対象に、いつも刺激されてきました。父の書架にあった本は、父の興味の対象に他なりません。子供に見せようとするのではなく、周囲の大人自身が興味を持つことが、子供の心に自然に浸透してゆくものです。

ビーグル号の博物学者/少年ケニア(著者蔵書)

 子供は、その時その時の頭の発達能力に合わせて理解を進めてゆきます。
 しかし、より興味を持ったことに対しては、自分の能力を自ら引き出し、理解しようとするものです。
 子供にむりやり好奇心や知識を植え付けようとしても、拒絶反応を起こし、むしろ逆効果になります。大人自身が抱く自然な興味が、子供に大きな刺激を与えることができるのです。その「自然さ」が、真の「想像力」に結びつく、ひとつの力なのです。
 また、それぞれの家庭にしかない独自性は、「想像力」とあいまって、「独創性=個性」を生み出すことにもつながります。

 「ジャポニカ学習帳」では、子供たちが物事を自然に見ることに主眼をおき、その中から、彼らが「想像力」を自分自身で引き出すきっかけを与えることができると確信しています。

文・写真:ジャポニカ学習帳「世界特写シリーズ」取材班 山口 進

 
 
 
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