
海外に行くと、小さな子供が自分の弟や妹の世話をしている姿をよく見ます。日本でも、少し前までは同じような光景が見られましたし、今でも田舎に行くと、この微笑ましい姿を見かけることがあります。

この写真のように、乳飲み子を5、6歳の兄弟姉妹が抱きかかえているのを見て、ほほえましいと感じるか、危なっかしいと感じるかは、その人の思想によると思います。
先進国ほど後者の傾向が強く、開発途上国では、年上の子供が弟や妹の面倒を見るのは当たり前、という状況が強いようです。
少子化の傾向にある先進国では、小さな子供にもっと小さな子供の面倒を見させるというのは危険極まりない、と考える大人が多いのではないでしょうか。これを、用心深くなったというより子供の力を信じていない、と解してしまうのは私の偏見でしょうか。
しかし、開発途上国をたびたび旅行していて、一度も子供の事故を見たことがありません。それどころか、面倒の見方や、抱き方などは、むしろ大人よりもこまやかだと思うことがよくあるのです。
更に、子供たちは子供同士でひとつの世界を作り、お互いに注意しあったり、守りあったりすることを身につけています。赤ちゃんを抱いた小さな子を仲間に入れて、一緒に遊ぶ子供たちの一群を見ていると、常にその兄弟を気にかけているのがわかります。しかも、その様子が自然であることに驚かされます。事故が少ないのは、そのせいではないでしょうか。
私は、子供に子供を任せられるか否かで重要なのは、大人が子供をどこまで信じられるか、と同時に、大人が緊張感を持った生活を子供に見せているかどうかだと思います。兄弟姉妹同士が面倒を見あうことが、生きてゆく上でどれほど良い影響を与えるかは、いまさら問うこともないでしょう。
人間同士が信頼し合う安全な社会とは、こういう家族同士の結びつきが基本になるはずです。
文・写真:ジャポニカ学習帳「世界特写シリーズ」取材班 山口 進
次回更新は、2009年1月30日頃の予定です。
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