
「そんなことわかんねぇ。」この言葉を新聞で目にした時に、いったい誰がこんな乱暴な言葉を吐いたのかと腹が立ちました。
ところが、この言葉は小泉元首相のものだったのです。
かつて一国の宰相たる者が、こんな乱暴な言葉を公の場で使っていいものか、大変不快感を覚えました。
テレビを見ていても「うめぇ!」とか「やってらんねぇ!」とかいう、いったいどこの言葉かと疑いたくなるような表現があふれています。もちろん、それは表現のひとつなのですから、その場ではその状況を表すために当を得ていたかもしれません。
しかし、元首相の言葉はそれとは少し事情が違います。
政治は言葉が重要です。言葉や表現は、政治家の真意にもかかわるからです。政治に携わる重要人物が、言葉をないがしろにすることは罪にも等しいものがあります。
べらんめぇ言葉がかっこいいと思うのはかまいませんが、日本人がもつ美意識や伝える手段としての言葉を、もう少し丁寧に考える必要があります。
手段として使う言葉をどう選ぶかは、話し相手への思いやりでもあるからです。
文・写真:ジャポニカ学習帳「世界特写シリーズ」取材班 山口 進
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