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コラム
 

第23回「個人海外旅行のコツ(1)[感染症から身を守る]」

カメルーンの食堂の料理。

 海外での楽しみのひとつに食事がある。ホテルのレストランもいいが、私はできるだけ現地の人と同じ食事をとるようにしている。
 味はその土地の特徴をよくあらわしている。私が特に好きなのは屋台や町の食堂だ。
 現地の人の観察をしながら、彼らと同じ食事をとる。味に対して保守的な人はむずかしいかもしれないが、現地の人が食べている食事が一番おいしいく、健康的だ。
 その地で暮らすための大切な基本が食事に表れてくる。
  ずいぶん前のこと。私はマレーシアに滞在していた。
 朝早くから暑いので、朝食にはかならず冷たいものを飲んでいた。
 まわりを見渡すと十数人いる客の全員が熱いミルクティを飲んでいる。私はこんなに暑いのに、朝から熱いミルクティを飲むことが信じられなかった。
 果たして一週間目、僕の腹具合がおかしくなった。軽い下痢になり、けだるさが体に充満した。
 病気か、と疑ったが、思い当たる節はない。面白いことに、その日から冷たいものを体が拒否しはじめた。
 朝も、昼も、そして夜まで冷たい飲料を好んで飲んでいたのに、まったくほしくなくなった。
 翌朝からほかの人と同じように熱いミルクティに変え、冷たいものをとらないようにした。
 効果てき面。
 体はすぐに復調した。
 驚いたことに暑い中で熱いものを取ると、飲み終わった時に不思議な清涼感がわいてくる。
 それ以来、どこにっても、また自宅にいる時も、できるだけ冷たい飲料は取らないようにしている。
 そういえば、熱帯地方の食事には熱いもの、または火を通したものが多い。これは衛生上、健康上に理想的だ。辛いものが多いのもひとつの特徴だ。暑さで食欲が減退した時に辛い物を食べると効果が大きい。
 短期旅行者、体が弱い人も、おそれずに屋台や町の食堂で食べてみよう。
 その時に必ず「うんと熱くして」など、ひとことを言うと万全だ。
 現地の人と触れ合う一番のチャンスは食堂だ。ここで情報を仕入れ、危険地区など回避できることも多い。
 そして大切なことは「よくかむこと」。これに尽きる。
 バイキンまでかみつぶすぐらいの気迫で噛むと、病気にはなりにくいものだ。

文・写真:ジャポニカ学習帳「世界特写シリーズ」取材班 山口 進

 
 
 
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