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コラム
 

第32回「アレロパシー(他感作用」

 あまり聞きなれない言葉だが、生活の周りにはいくらでもある。最近、日本じゅうにはびこっているニセアカシア(ハリエンジュ)やクルミは、このアレロパシーをもつ植物だ。
 アレロパシーは植物体内から様々な種類の化学物質を出して、ほかの植物などに影響を与える作用をいう。
 その化学物質が、植物自身の生命維持に必要でないものや、どのような作用をするのか未知な物質もたくさんある。
 よい例がコーヒーやお茶に含まれるカフェインで、植物自体の生命維持に必要と思われない。ソバのルチンは人間にはよいらしいが、ソバ自身には必要ではない。
 トマトなどの野菜の連作ができないのは、多感作用物質が土壌中に残り、それが作用するかららしい。
 周りを見渡すとニセアカシアの純林やクルミの群生する姿を見ることが多くなった。
 30年前に撮影に通ったクヌギやコナラの雑木林の古い写真と、今現在の同じ場所の写真を比べてがく然となった。
 クヌギやコナラが消えニセアカシアに置き換わっているのだ。しかも林床には雑木の芽生えすら見られなくなった。ニセアカシアに入れ替わった林には虫や鳥の姿も見られなくなった。
 これらの多くは外来種だが、近い将来、日本の自然はこのような林に取って代わるのではないかと憂慮している。

ニセアカシア

文・写真:ジャポニカ学習帳「世界特写シリーズ」取材班 山口 進

次回更新は、2009年7月30日頃の予定です。

 
 
 
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