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コラム
 

第33回「卯の花のにおい」

 「夏はきぬ」という唱歌がある。僕はこの歌が好きで、ずっと卯の花にあこがれていた。「におう」と書かれているからには、とても良いにおいがするものだと思い、山梨に引っ越してからすぐに庭に植えた。
 6月初めには純白の花が咲き始める。早速においをかいでみると微香がするが、決して良い香りではない。
 ちょっとがっかりしながら調べてみたら「におう」というのは「風情」つまり「色が美しく映える」ことを表していることがわかった。
 花の咲き方や、白く透き通った色は、たしかに「におう」という言葉でしか表せない、と作詞家の佐々木信綱氏の感性の豊かさと表現力に恐れ入った。
 卯の花が咲き始めると、ホトトギスが鳴き始める。日本がひときわ美しい季節だ。
 さまざまな自然の変化を繊細に感じる心で、人はいくらでも豊かになれるのだなぁ、と感じた。

卯の花は正式には「ウツギ」と名付けられている。

文・写真:ジャポニカ学習帳「世界特写シリーズ」取材班 山口 進

 
 
 
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