
アリの仲間に、おなかにみつをためるミツツボアリ、というアリがいます。ぼくは、ずいぶん長い間、このミツツボアリを見たいと思っていました。
しかし、どこに行けばいいのか、巣をどうやってさがすのか、など何もわかりません。まよっていては何も始まらないので、ぼくは、ミツツボアリの生息地として知られる、オーストラリア中央部にあるさばくの中の、アリススプリングという町に行くことにしました。行けば何とかなるだろう、と考えたのです。

アリススプリングの町は小さいので、さまざまな人に「自然にくわしい人は、いませんか?」と聞いてまわり、一人の青年をさがし当てました。
約束の日、彼はやってきて、こう外にあるかんそう地に、ぼくを案内してくれました。そして取り出したのが、「きりふき」でした。
かれは、何もない地面に、きりふきで水をかけてゆきます。おどろいたことに、しばらくすると、地面からわき出すようにアリが出てきたのです。
そこで、かれとぼくは二人だけで、その場所を3時間かけてほりました。
さばく地帯なので暑さがきびしく、つかれきったころに、ぽっかりと巣の部屋が見えました。その天じょうには、おなかいっぱいにみつをためた、ミツツボアリがぶら下がっていたのです。

かれは、「自然をいつも見ていると、
何がどこにいるかわかるんだよ。」と笑って話してくれました。
文・写真:ジャポニカ学習帳「世界特写シリーズ」取材班 山口 進
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