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第5回「アマゾンでのたん生会」

 2007年の1、2月、ぼくは、アマゾンのいなかですごしました。
 電気はあるものの、水道やトイレは、アマゾン川の水を使います。歯みがきの時に水道をひねると、真っ茶色の、どろくさい水が出てくるのには、初めはていこうがありました。

 しかし、すぐになれることができました。このようにできるためには、まず、健康な身体が必要です。健康な身体には、病原きんに対するめんえき力や、ていこうせいがそなわっているからです。
 身体に自信さえあれば、あとは思い切りだけです。おそるおそるではなく、エイヤッとばかりに「思い切って」その水を受け入れるのです。
 あとは自然になれてきます。

 ぼくは、約60日間を、アマゾン川にうかぶ、小さな家にたいざいしました。その家には10人の家族が住んでいて、ぼくは、はなれの部屋を使いました。とてもよい家族で、めんどうをよく見てくれました。
 ところが、2月のある日、家族の様子が変なのです。「お母さんの調子が悪い。」とか「水が出なくなった。」とか言いわけをして、食堂に入れてくれません。しかたがないので、おなかをすかせたまま、外で待つことにしました。
 しばらくして「ヤマ、ちょっと水道の調子を見てくれないか。」とよばれてゆくと、パンパンパンとクラッカーが鳴りひびきました。

 そのしゅんかん、部屋の外にかくれていた家族がわっと部屋に入ってきて「ヤマ、たん生日おめでとう!」と言うのです。
 目の前には、大きなケーキがおいてありました。
 「ブラジルでは、いちばん大切な人のことを思いながらケーキを切ります。そして最初の一切れを、今、いちばん大切な人にあげてください。」
 ぼくは大切な人のことを考えながらケーキを切り、最初の一切れを、その家のお母さんにあげました。

写真:アマゾンでのたん生会

文・写真:ジャポニカ学習帳「世界特写シリーズ」取材班 山口 進

 
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