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第13回「モチモチの木」

 斎藤 隆介さん(文)滝平 二郎さん(きり絵)の絵本、「モチモチの木」(岩崎書店)を読んだことはありますか?
 この「モチモチの木」とは、トチノキ「栃(とち)の木」のことをいいます。

「モチモチの木」(岩崎書店)/著者蔵書

 トチノキの、手を大きく広げたような葉は、秋になると美しく色づき、山をいろどる代表的な大木です。大木となった理由の一つは、トチノキの実が食用に利用され、大切にされてきたからです。
 直径3センチほどの実は、かたいカラにおおわれています。その中身を取り出して、あくぬきをし、もち米と共について、「栃餅(とちもち)」として食べるのです。あくぬきには少し工夫がいるので、かん単ではありませんが、食料がとぼしかったむかしの日本では、ひじょう時の食料として大切にされました。
 そのため、トチノキを勝手に切ることはできませんでした。場所によっては、トチノキがその土地の守り神として、今でも大切にされています。

トチノキの実

 日本中に、トチノキの「栃(とち)」の名前が付いた地名がたくさんあります。栃木(とちぎ)、栃の木峠(とちのきとうげ)、栃窪(とちくぼ)などです。地名というのは、その場所の特長をよくあらわしています。地名から、様ざまなことがわかるのです。
 ところが、最近の市町村合ぺいなどで付けられる新しい地名では、そのようなことは無視されていることがあるのです。その土地の文化や歴史は、地名として残す必要がある、とぼくは思っています。

トチノキ

 トチノキににた、大きな葉の街路じゅに、セイヨウマロニエやベニバナマロニエがありますが、日本のものとくらべると、花も葉も上品さを感じないのは、ぼくの思いすごしでしょうか。

文・写真:ジャポニカ学習帳「世界特写シリーズ」取材班 山口 進

 
 
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