
日本では初夏になると茶つみが始まります。すげのかさをかぶって茶をつんでいる様子はのどかでいいものです。
日本ではほとんどこの姿が見られませんが、東南アジアでは昔の服装をして茶をつむ姿がまだまだ見られます。
ところで、「つむ」というのはどのような動作を意味しているのでしょう。
「もぐ」「ちぎる」など同じような仕草を表す言葉がたくさんあります。
「つむ」という動作を思い出してみると、親指と人差し指で葉を取る姿が見えてきます。
とても優しい動作ですね。
ほかの言葉ではこの優しい姿を表すことが難しいです。ここに、お茶を大切にする日本人の心が見えてくるようです。
お茶をつむときに着る服などにも「優しさ」が現れています。
すげのかさ、こん色のかすりの着物に赤だすき、手こう、きゃ半、など自然に親しめるようなかっこうをしますね。
お茶をつむときにこのかっこうをすることがとても便利で気持ちがよいのです。自然な暮らしが生み出した「自然な優しさ」が「茶つみ」にはつまっています。

文・写真:ジャポニカ学習帳「世界特写シリーズ」取材班 山口 進 |